個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)は、税制メリットが抜群です。しかし、手数料は完全無料というわけではありません。
そこで、手数料の内容(支払先と金額など)を確認しましょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の手数料
手数料は、いくつかの項目に分かれています。一つ一つはとても小さい金額ですが、それが集まると無視できない額になります。
将来の収益がどうなるか、事前に把握できません。一方、手数料は確実に支払います。そこで、手数料が少しでも安くなるように工夫しましょう。
1 加入時手数料
iDeCo(イデコ)に加入するときに必要な手数料です。加入時1回限りの手数料ですので、下の2以下の手数料に比べると、重要度は大変小さいでしょう。
証券会社: 0円~1,000円程度(証券会社により異なります)
証券会社によっては、加入手数料は無料です。有名どころでは、SBI証券や楽天証券などで無料となっています。
2 掛金を毎月出している加入者
iDeCo(イデコ)に加入している間、以下の月額手数料がかかります。毎月の支出が167円必要ですので、イデコを始めるには、それよりも大きな収益見込みが必要です。
信託銀行: 64円(税込)
証券会社: 0円~数百円(証券会社により異なります)
この手数料も、証券会社によっては無料です。例えば、月300円の場合、1年で3,600円、30年で108,000円となります。無視できない金額ですので、月額手数料が無料の証券会社を選びたいです。
有名どころでは、SBI証券や楽天証券などで無料となっています。
3 給付手数料
年金を受け取る際の手数料です。
証券会社は給付手数料を取りません。よって、手数料引き下げ競争もありません。また、432円で固定ですので、年金1回の受取額が小さすぎると、手数料の割合が大きくなってしまいます。
このため、1回の年金給付で受け取る金額は、大きめにしたいです。
年払いで手数料を引き下げる
なお、掛け金の支払いを「年払い」にすることで、手数料を引き下げることができます。具体的には、国民年金基金連合会に支払う103円です。
毎月支払う場合:103円×12回=1,236円
年払いの場合:103円×1回=103円
1年間で1,000円程度の差ですが、手数料は小さいほうが良いです。30年間続ける場合、3万円くらいの差になります。
年払いをすると、支払い月の負担が大きいかもしれません。とはいえ、月払いでも年払いでも、支払額は同じです。計画的に積み立てていきましょう。
iDeCo(イデコ)の投資信託:信託報酬
iDeCo(イデコ)の手数料というと、毎月の手数料や給付時の支払額に注目がいくかもしれません。しかし、投資信託で運用しますから、投資信託の手数料である信託報酬も確認しましょう。下の表は、SBI証券でiDeCo(イデコ)をする場合です。
分類 | 信託報酬平均値 |
---|---|
国内株式 | 0.92% |
国内債券 | 0.36% |
国際株式 | 0.95% |
国際債券 | 0.57% |
国際REIT | 0.41% |
バランス | 0.55% |
コモディティ | 1.44% |
全体 | 0.75% |
一言でいえば、信託報酬は安いです。全体の平均で0.75%です(2018年2月現在)。
この理由ですが、老後に備えて長期に運用するからでしょう。通常の投資信託の場合、顧客は投資信託をいつ解約してもOKです。すると、運用会社から見れば、腰を据えた投資が難しくなります。解約に備えた資金を常に準備する必要もあります。よって、運用コストが高くなるでしょう。
一方、iDeCo(イデコ)は長期運用です。投資信託を簡単には解約しないと期待できます。そこで、運用会社はコストを抑えることができます。それが信託報酬にも反映されていると予想できます。
手数料よりも大きなメリットがある場合に、iDeCo(イデコ)に加入しよう
手数料項目がたくさんあると、支払合計額も大きくなるような感覚があるかもしれません。しかし、毎月の支払額は167円+証券会社への手数料です。
1年間の支払額は、2,004円(167円×12か月)+証券会社への手数料です。
それよりも大きなメリットがあると感じる場合に、iDeCo(イデコ)に加入することになります。そこで、iDeCo(イデコ)のメリットをざっくりと確認しましょう。
イデコのメリット
メリット1:
税金が極めて有利です。運用収益は全て非課税。毎年の住民税と所得税を圧縮できますし、年金受取り時の税金でも節税メリットが大きいです。
メリット2:
低コストの投資信託を選択可能です。
メリット3:
老後になってから年金を受け取るので、「うっかり使ってしまった」がなくなります。
メリット1だけで、1年間2,004円以上の価値があるという場合が多いと思います。(所得や掛金の額によって変動しますが)毎年の住民税と所得税を減らすことができます。下の画像は、SBI証券からの引用です。税制メリットだけで3つあることが分かります。
・運用収益が非課税
・所得控除
また、メリット3も意外に見逃せません。自分で貯蓄するのが苦手だという場合、強制的に貯蓄できる仕組みを使うとメリットがあるでしょう。
SBI証券のイデコ手数料
最後に、SBI証券のイデコ手数料を確認しましょう。
運営管理機関変更時:無料
口座管理手数料(月額):無料
信託銀行等への手数料は、どの証券会社でも同額です。各証券会社は、自社が受け取る手数料の引き下げ競争をしています。SBI証券は、全て0円で勝負しています。
投資信託の運用成績は、どれだけ安全運転しても必ずプラスだと断定できません。一方、手数料の支払いは必ず発生します。よって、手数料は少しでも小さいほうが良いです。
【公式サイト】SBI証券(イデコ)
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