老後に備えてイデコを始めたのはいいけれど、途中で解約したくなるかもしれません。「何だかイメージと違うから、やめたい」「掛け金を出し続けるのが、経済的に厳しくなってきた」という具合です。

そこで、イデコを中途解約できるかどうかについて、確認しましょう。

イデコ(iDeCo)の中途解約とは

イデコの中途解約、すなわち途中でイデコをやめるには、大きく分けて2点の考察が必要です。

・掛け金の拠出を止める
・既に拠出した掛金の運用をどうする?

イデコを途中で止められるかを確認しつつ、順に見ていきましょう。

イデコと完全に縁を切ることは難しい

例えば、私たちが一般販売の投資信託を毎月買っているとして、解約するとしましょう。すなわち、今まで入金したお金を取り戻して、これからは入金することもないという状態です。通常の投資信託ならば、できます。

しかし、イデコ(iDeCo)に関しては、中途解約は難しいです。

転職する場合

例えば、私たちが転職して、その企業が「企業型確定拠出年金」に加入している場合、イデコの加入者資格を喪失します。すなわち、解約します。

その手続きは、転職先の企業で確認していただければすぐ分かります。

特段の理由はないけれど、解約したい場合

そうではなくて、「転職や死亡といった大きな事は起きていないけれど、もうやめたいと思う」という場合には、イデコを解約して縁を切るのは難しいです。

と言いますのは、イデコは老後を見据えた長期運用をするものです。その時々の判断で脱退してよいという性質のものではないためです。また、イデコは税制優遇や信託報酬が安いなど、他の投資信託にはないメリットがあります。

自由に脱退できてしまうと、これらの優遇の意図が打ち消されてしまいます。制度を悪用する人も出てくることでしょう。

「それでも止めたい」という場合は、以下の方法を検討できます。

掛金の拠出を止める

イデコに加入すると、毎月支払いをします。この支払額を0円にするという方法です。こうすれば、今後追加して入金する必要はありません。目標の半分が達成されました。

では、今まで積み立てた資金はどうなるでしょうか。

運用指図者となる

追加で入金するのは止めても、今まで入金したお金を運用する必要があります。そこで、「運用指図者」となります。運用指図者になる手続きをしますと、どの投資信託を買うべきかという指示ができるようになります(追加入金はしません)。

ここで、運用は面倒だから定期預金にしておこう…というのは、損になります。と言いますのは、イデコに加入しているだけで、信託銀行に対して毎月64円の手数料がかかるためです。1年で768円です。

少額ですので、放置でも良いかもしれません。手数料は嫌だな(でも、積極的に運用して損したくない)という場合は、元本確保型の投資信託を買って、少しずつ収益を確保するのが選択肢になります。

なお、証券会社への手数料も発生する場合があります。SBI証券や楽天証券などでは、0円ですので安心です。

掛金が手元に戻る場合

以上の解説ですと、いったん入金した掛金は、60歳になるまで引き出し不可能に見えます。イデコは老後に引き出すための資金ですから、それでも良いのかもしれません。

ただ、これでは面白くないという場合もあるでしょう。運用するのではなく、現金を自分の手に収めたい場合です。基本的に引き出しできませんが、例外があります。

以下の5条件が「全て」当てはまる場合に、掛金を引き出すことができます。

・国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは納付猶予を受けている方
・確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
・通算拠出期間が3年以下、又は個人別管理資産が25万円以下であること
・最後に企業型確定拠出年金又は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内であること
・企業型確定拠出年金の資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと

これらをすべて満たす状態というのは、経済的にピンチです。毎日の生活をどうするか?という問題に直面しており、イデコに拠出している場合ではありません。

この場合は、脱退一時金を得ることができます。

要するに、大多数の一般の人の場合は、イデコに入金した掛け金は、年金としてもらうまでは引き出しできないという結論になります。

イデコ(iDeCo)は老後のための資産運用

イデコ(iDeCo)は、老後のための資産運用です。このため、簡単に解約できては困ります。今の生活を優先した結果、老後になって経済的にピンチになっても、若い時のように働くわけにはいきません。

働けない分だけ、毎月の収入は低下してしまいます。

国民年金や厚生年金も、途中で脱退して掛金を返してもらうことはできません。それは、老後のための掛金だからです。イデコも、ひとたび始めたら脱退しようとせず、少しずつ積み立てていくという姿勢が必要でしょう。

「中途解約したい」と感じるのは、毎月の掛け金が過大になっているからかもしれません。解約を考える前に、月々の掛け金を見直すという選択肢があります。

 

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