個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)に加入するとはすなわち、日本政府が作った年金制度に自分のお金を預けることを意味します。この場合、「消えた年金」の問題がイデコでも起きるかも?という漠然とした不安はないでしょうか。

この不安を抱えたままでは、イデコを始めるのは難しいかもしれません。

そこで、消えた年金問題を振り返り、イデコの仕組みと比較してみましょう。

消えた年金問題とは

1997年、国民年金で基礎年金番号を導入しました。基礎年金番号は、国民一人一人に番号を付与します。こうすれば、転職を繰り返して複数の年金制度を渡り歩いても、だれがどの年金制度にいくら支払ったかが分かります。

すなわち、正確な年金支給に役立ちます。

基礎年金番号を導入する際、社会保険庁は「名寄せ」を言われる作業をしました。いくつもの公的年金に加入している個人について、誰がどの保険に加入しているかを把握するためです。

ところが、いい加減な仕事をしてしまい、5,000万件にも及ぶ記録が、基礎年金番号の台帳に記録されていないことが分かりました。すなわち、漏れてしまった人は、本来受け取れるはずの年金額よりも、少ない額になってしまいます。

さらに、支払ったはずの国民年金保険料が社会保険庁のデータベースに記録されていない、あるいは、給与天引きされたはずの厚生年金保険料も同様に記録されていないというケースも見つかり、大騒ぎとなりました。

結局、社会保険庁は解体されて日本年金機構が作られました。では「消えた年金はどうなった?」ということです。解決していません。

また、誰も刑事罰を受けていないのでは?ということです。

また、消えた年金とは異なりますが、年金積立金の運用益の一部を使って、施設が建設される例が多数ありました(年金還元融資施設)。年金保険料を納めたのは、施設の建築のためでしょうか?自分が収めた保険料は、年金給付のために使ってほしいとは思いませんか?

ちなみに、ここで上げた諸問題は、「ねんきん定期便」などの制度を作ったことにより、すでに過去の話になっているようです。

iDeCo(イデコ)でも同じ問題は起こるか?

では、イデコでも同じような問題が起きるでしょうか。結論から先に書けば、同じ問題は起きないでしょう。以下、理由やイデコの特徴を考察します。

積立資産の内容を自分で確認できる

国民年金や厚生年金では、年金保険料をまとめて運用しています。まとめて運用した結果を個人に配分しますので、「個人が積み立てた額の大きさと、その運用結果」という概念はありません。

しかし、iDeCo(イデコ)は、「自分が積み立てた額がいくらで、運用した結果がいくらである」という内容を確認できます。年金掛け金がいつの間にか消えていたという問題は起きづらいでしょう。

運用方法を自分で指定できる

iDeCo(イデコ)では、どの投資先にいくら投資するかということを、自分で決められます。実に透明性が高いですが、運用方法が悪ければ成果も悪いということになります。これはメリットとデメリットが同居しているということになります。

資産運用に自信がなかったり、資産の目減りを避けたい場合もあるでしょう。

この場合は、元本確保型の金融商品や、債券など価格変動が小さめの投資信託が選択肢になります。株式を主に扱う投資信託は、比率を小さくします。

運用成果は自分だけに還元される

そして、iDeCo(イデコ)で運用した結果、資産が作られます。その資金は自分の年金として利用されます。どこか別の目的で使われることはありません。

現在の年金制度では、現役世代が支払ったお金は、高齢者のために使われています。今の高齢者にとっては、全く問題ありません。しかし、現役世代が高齢者になるとき、同じように年金をもらえるでしょうか。

年金支給開始年齢が遅くなったり、金額が減額されたりしています。支給額増を望むのは、現実的でないかもしれません。

経費の額が確定している

国民年金や厚生年金の場合、残念ながら、誰かがどこかで目的外の支出をしても、それを把握することは困難です。変な支出があれば、それは間違いなく私たちにとって不利益ですが、どうすることもできません。

今までどれだけ不利益を被ってきたとしても、それでもなお年金保険料を支払う必要があります。

しかし、iDeCo(イデコ)では、経費の大きさが確定しています。それ以上に支払う必要がありません。よって、安心してお金を預けることができます。また、税制上のメリットがとても大きいので、経費の大きさを余裕で超えるメリットとなる人がとても多いでしょう。

 

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