日本で最も多く飲まれているアルコール飲料といえば、ビールでしょう。そこで、ビールの課税数量の推移を確認しましょう。

課税数量・・・アルコールは製造工場から出荷するときに課税します。そこで、その数量を調べるとおおよその消費量も分かるということになります。

下のグラフをご覧ください。国税庁ホームページからデータを引用してグラフ化したものです(以下同じ)。縦軸の単位は千キロリットルです。横軸は年を表しますが、1989年まではおよそ5年ごとにデータが出ていますので、ご注意ください。

beer-amount

ビール消費量は1994年をピークにして減少していることが分かります。なぜ1994年なのでしょうか。

ビールが売れなくなった原因

消費が減ったということは、売れなくなったということです。その理由の一つとして、「生産年齢人口がこの時期にピークを迎えたから」と言えるかもしれません。

下のグラフは、ビールの課税数量に生産年齢人口の推移を重ね合わせたグラフです。生産年齢人口の人数は右側の縦軸で読みます。単位は千人です。生産年齢人口のピークは1995年でした。そこから減少を続けていますが、ビールの課税数量もこれに合わせて減っています。

beer-population

仕事が終わってから「一杯飲んでから帰るかな!」というサラリーマンの人数が減っているのかもしれません。

しかし、生産年齢人口の減り具合と比べると、ビールの課税数量の減少速度はかなり速いように見えます。そこで、ビールでなくアルコール全体の課税数量のグラフを確認しましょう。下のグラフの通りです。

alcohol-amount

こうしてみると、ビールに代わって発泡酒が台頭し、そして第三のビールが出てきている様子が分かります。最近10年で見ますと、リキュール類がそのシェアを伸ばしていると分かります。

これは、アルコール飲料各社の企業努力がかなり効いていると予想できます。

ビールよりも安価な税金でビールと似た味を楽しめる発泡酒や第三のビールを開発したり、女性や高齢者等にも受け入れやすいリキュール類の飲み方を提案したり。こうして、ビールの消費減をカバーできている様子が分かります。

しかし、アルコール全体の消費量はやはり減っています。人口が減るのですから、仕方ありません。

ビール出荷量減少に対して、対応策は?

人口が減れば、様々な種類のお酒や楽しい飲み方を提案しても、いずれ消費は落ち込まざるを得ません。これは、ビールに限らずアルコール全体で当てはまります。では、どうしましょうか。手段としては2つあるでしょう。

手段1: 輸出を増やす
手段2: 海外に進出する

そこで、順に確認しましょう。

酒類の輸出状況は?

下のグラフは、酒類の輸出金額と数量の状況です。概ね増加傾向にあることが分かります。金額で見ますと、平成22年(2010年)以降の伸びが大きいです。アルコール製造各社が輸出を重視している様子が分かります。

輸出数量はまだ小さいですが、これからも継続して輸出が増えていくと予想できます。

alcohol-export

海外への進出状況は?

海外への進出の一例としては、サントリーホールディングスによるビーム社の買収を挙げることができるでしょう。この買収は2014年でした。

ビーム社といえば、日本ではジムビーム(Jim Beam)が有名でしょうか。サントリーによるビーム社の買収の成否を予想するのは難しいですが、アルコール製造会社による海外進出は今後も続く可能性があるでしょう。

国内の消費市場は縮小せざるを得ませんから、海外売上をどれだけ確保できるかが大切になってきます。株式投資をする際は、アルコール製造各社の海外戦略についても確認したいです。

 

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