多くの人が、より勝率の高いチャート分析やトレード手法を探しています。勝率が高いだけではなく、勝つときには大きく勝ち、負けてしまうときの損失は小さくできるトレード手法があれば、とてもうれしいです。

しかし、そのような万能なチャート分析やトレード手法は存在しないようです。

その理由を考えてみましょう。

トレードに必要なもの

勝率100%のチャート分析を考察する前に、その前提となる「トレードに必要なもの」を確認します。株式でトレード(投資)をするために、必要なものは何でしょうか。

株式が必要ですし、株式を売買するためのお金も必要です。取引所はあった方が良いですが、必要不可欠なものではないでしょう。

そしてもう一つ、重要なものがあります。「取引する相手」です。

取引相手がいるから、売買できる

「今この株式を買いたい!」と思っても、売ってくれる人がいなければ買えません。どれだけお金を積み上げても、誰も売ってくれなければ買えません。そこで、株式投資では売買する相手の存在が極めて重要です。

普段の株式投資では、取引相手を意識することなく売買できますので、忘れがちになるかもしれません。

さて、Aさんは今、X社の株式を買いたいと思いました。なぜなら、その株価はこれから上昇すると考えたからです。一方、Bさんは、X社の株式を売りたいと思いました。なぜなら、その株価は今が頂点に近くて今後は下がるかもしれない、と考えたからです。

AさんとBさんの考えていることは全く逆ですが、売買したいという思惑は一致しました。こうして、株式取引が成立します。すなわち、こういうことです。

今が買いだ!と思って買ったとしても・・・
(1)それを売った人は「今が売りだ!」と思っているかもしれません。
(2)それを売った人は「今売れてラッキー!」と思っているかもしれません。

どう見ても今は買いでしょ!と思っても、どこかに「今はどう見ても売りでしょ!」と思っている人がいます。

同じようなデータを見て株式投資をしているはずなのに、この正反対の結論を出して行動してしまうのが、株式投資の興味深いところでしょう。

勝率100%のチャート分析があると仮定

上のような状況になる理由として、「勝率があまりに高いチャート分析は存在しない」ことがあるかもしれません。そこで、勝率100%のチャート分析とトレード手法が開発されて、公開されたと仮定しましょう。

実際にその方法でトレードしてみた全員が、勝利を収めたとします。

すると、そのトレード手法の噂は市場を一気に駆け巡るでしょう。噂が噂を呼び、世界中の株式投資家だけでなく、債券投資家やFXトレーダーも注目するかもしれません。そして、相場に参加している全員が、そのトレード手法を採用したくなります。

実際に採用したとすると、何が起こるでしょうか。

結果:売買が成立しなくなる

というのは、そのチャート分析が「今が買いだ!」と示唆するときに、全員が買い注文を出すからです。誰も1株も売ろうとしません。

買いの特別気配のままストップ高となり、取引時間が終了して比例配分しようにも1株も取引が成立しないという事態になります。

勝率100%のチャート分析は存在しない

しかし、実際にはそのような事態はなかなか起きません。何らかの形で売買が成立します。ということは、ここで設定している仮定が間違っているということです。ここで設定している仮定とは、「勝率100%のトレード手法がある」です。

結論:勝率100%のトレード手法は、おそらく存在しないだろう

よって、ウェブサイトで一生懸命探しても、完全無欠のチャート分析やトレード方法を探すことは不可能と予想できます。

仮にそのような投資手法があるとするならば、その方法を知っている人は決して口に出さないでしょう。世の中に広まってしまったら、そのトレード方法が無効になってしまうからです。

以上のことから、有効なトレード手法を探して研究するのは必要でしょうが、勝率100%は希望が高すぎです。資金管理をしっかりして、時々の負けで大損しないように気を付けましょう。

有効なチャート分析は存在する

ただし、勝率100%でなくても、有効なチャート分析は存在するでしょう。それが有効かどうかというのは、使う人の能力が大きく影響してきます。

例えば、ボックス相場に強くてトレンド相場に弱いインジケーターを使って、チャート分析をするとします。この場合、ボックス相場でその方法を使わなければなりません。トレンド相場で使うと、負けてしまいます。

この場合、チャート分析の前に「今はボックス相場か、それともトレンド相場か」を判断できる能力が必要になります。

世の中には無数のチャート分析手法があります。しかし、チャート分析を使いこなす場合に、前提となる一定の能力が必要になる場合が少なくありません。

チャート分析手法だけを見ていると、この前提の能力を見落としてしまいがちです。

視野を広く持って、相場に取り組む姿勢が必要です。

 

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