消費者物価指数(CPI)とは、物価全体の動きを指数化したものです。ある商品は大きく値上がりするかもしれませんが、その他の商品はそうでもなかったり値下げしたりします。では、全体としてはどうなのだろう?を把握するのに適しています。

そして、CPIの上昇率を調査すれば、物価上昇の趨勢を把握できます。

では、CPI上昇率(前年同月比)と日経平均株価の間には、どのような関係があるでしょうか。1994年以降について確認しましょう。

CPI上昇率(前年同月比)と日経平均株価の関係

消費者物価指数(CPI)総合指数の前年同月比と日経平均株価のグラフは下の通りです。CPIのデータは統計センターから引用しました。左の縦軸が日経平均株価、右の縦軸はCPI上昇率(%)です。

CPIと日経平均株価

CPI総合指数の上昇率と日経平均株価の間には、おぼろげながら関連性があるように見えます。

なお、CPI上昇率を検討する場合、総合指数でなく「生鮮食料品を除く総合」を使うことが多いです。生鮮食料品は、経済動向と関係がないところで価格の上下動が大きいからです。生鮮食料品を除く総合指数を、コアCPIと言います。

コアCPIと日経平均株価

そこで、コアCPIと日経平均株価の関係を確認しましょう。

コアCPIと日経平均株価

オレンジ線(CPI上昇率)のギザギザが緩和されて、比較的分かりやすいグラフになりました。しかし、下のグラフで赤枠を3つ書きましたが、この部分のCPI上昇率が異常値のように見えます。

この部分だけ急上昇していることが分かります。

コアCPIと日経平均株価

これは、以下の理由によります。

1: 消費税増税(3%→5%)
2: 原油価格高騰
3: 消費税増税(5%→8%)

コアコアCPIと日経平均株価

そこで、この3つの影響をなくしたCPIのグラフで考えましょう。下のグラフは、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」のCPI上昇率と、日経平均株価の関係のグラフです。このCPIを「コアコアCPI」と呼ぶこともあります。

コアコアCPIと日経平均株価

2008年の急上昇がなくなったので、CPIの変化率が自然な感じになりました。なお、CPIの縦軸の数字が少し変わっているので注意です。最初のグラフでは、△4%~+4%の範囲で表示していました。すぐ上のグラフは、△2%~+3%です。

コアコアCPIにすると、CPIの変化率そのものが小さくなることが分かります。

消費税の影響を除いたCPI上昇率と、日経平均株価

次に、このグラフから、消費税上昇分を控除してみましょう(CPI上昇率から、消費税増税分の2%と3%を単純に引きました)。それが下のグラフです。

コアコアCPIと日経平均株価

2014年部分が、大きく下方向に下がってしまいました。とても不自然です。単純に3%引いたという試算が乱暴だったためでしょうが、これでも全体の傾向を把握することは可能でしょう。

そこで、上のグラフを使って考察します。

長期的に見て、CPI上昇率と日経平均株価には関連性がありそう

コアコアCPIから消費税の影響を除いたものと、日経平均株価の間には、大まかにみて関連がありそうだと分かります。

1994年~2000年くらい: CPI上昇率、日経平均株価ともに下落傾向
2001年~2007年くらい: CPI上昇率、日経平均株価ともに上昇傾向
2008年~2009年くらい: CPI上昇率、日経平均株価ともに下落傾向
2010年~2018年くらい: CPI上昇率、日経平均株価ともに上昇傾向

長期で株式投資をする場合、1年、5年、10年以上といった期間で株価動向を考えることが多いと思います。少なくとも、上のおよそ25年の範囲で見る限り、「コアコアCPIから消費税の影響を除いたデータは、株式投資分析に有効である」ことが分かります。

ただし、細かい値動きを分析するのには向きません。年単位の大きなトレンドを考える際に使えます。

なお、グラフの右縦軸をご覧いただきますと、グラフ中ほどに「0」とあります。CPI上昇率が0ということです。すなわち、CPIがプラスにあるかマイナスにあるかというのは、株価動向には直接的に影響していない可能性があります。

CPI上昇率の数字そのものよりも、「上昇傾向にあるか」「下落傾向にあるか」という趨勢の方が、株価動向に大きな影響を与えるようです。

 

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