記事「売りでトレードを始めるメリットは何か?」で、株価は上昇よりも下落の方が速度が速いことを確認しました。2015年の1年間の日経平均株価をもう一度確認しましょう。

赤で囲った部分が下落相場です。確かに、1月から8月半ばまで7か月半かけて獲得した上昇幅を、8月半ばから9月末の1か月半ですべて放出している様子が分かります。

なぜ、下落速度は速いのでしょうか。この理由を示す明確なデータはないでしょうから、投資家心理を考えることによって考察してみましょう。

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株価が上昇する理由、下落する理由

最初に、株価が上昇したり下落したりする理由を考えてみますと・・・理由は簡単だと分かります。

・買い数量が売り数量よりも多ければ、株価は上昇
・売り数量が買い数量よりも多ければ、株価は下落

ということは、以下の予想ができます。

・上昇トレンドでは「買いが売りを上回る程度が小さく、かつ、長続きしている」
・下落トレンドでは「売りが買いを上回る程度が大きく、かつ、一気に発生している」

次に、このような違いがでる理由を、投資家の心理状態を元に考えてみましょう。

株価が底値をつけてから

(個人投資家の心理状態)
・株価が大きく下がっているトレンドだから、まだ下がるかもしれない
・何だか少し上昇しているようだけれど、まだ油断できない
・ニュースでも何だか暗いことを言っているし、買う気になれない

・・・大きく買おうという機運が出づらいことが予想できます。ここで買って長期間保有することができれば最高ですが、なかなか難しいものです。上のチャートでは、2015年1月あたりで買うことができればよかったのですが、それは後から振り返ってみて分かるというだけです。

実際に買うのは難しいです。

株価が上昇を始めてから

・おっ、株価が上がってきている。少し買ってみよう。
・まだ上がっている。これは完全な上昇トレンドだ。もう少し買ってみよう。
・(今まで買えなかった人も)大きく上がったから、さらに上がるかもしれない。買おう。

・・・こうして、一気にではなく少しずつ長期的に、買い注文が売り注文を上回る状態が続きます。しかし、いつまでも株価上昇が続くわけでなく、新規参入で買う人がいなくなります。すなわち、天井をつけて下落に転じる場面が出てきます。

何となくゆっくり下落するならまだマシかもしれません。何か良くないニュースがやって来ることもあるでしょう。

株価が天井をつけて下落に転じてから

・(トレードが上手な人は・・・)よし、ここが売り時だ!一気に売ろう!
・(恐る恐る、ゆっくり買っていた人は)マズい!含み益がゼロになる前に全部売らなきゃ!
・(いつか買いたいと思う人は)こんな下落相場では買えないよ。相場は怖いな。
・(含み損を大きく抱えた人は)ダメだ、もう耐えきれない。損だけれど売ろう・・・。

こう考えると、売り注文が短い時間で圧倒的に多くなるのでは?と予想できます。強烈な下落相場で買おうという人はなかなか出てこない可能性があり、売買バランスは大きく崩れるでしょう。

以上のことから、上昇トレンドよりも下落トレンドの方が速度が速い理由が何となく見えてきます。そこで、下落のタイミングで少しだけでも構わないので売ることができれば、良い結果を得られるかもしれません。

 

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