一般的に「FX(えふえっくす)」の名前で呼ばれている外国為替証拠金取引。この分野でも、株式を上場している会社が複数あります。証券会社がFXを商品に加えている例が珍しくありません。

そこで、今後のFXの展望について考察してみましょう。比較があると分かりやすいので、証券口座を比較対象にします(データは資金循環統計日本証券業協会及び金融先物取引業協会から得ています)。

家計の金融資産内訳はどうなっている?

最初に、家計の金融資産がどのような内訳になっているかを確認しましょう(2015年第3四半期末)。

individuals-assets-breakdown

日本人の現預金好きはしばしば言われることですが、データでも示されています。そして、保険が続きます。生命保険等に入っている人が多いと予想できます。3番手にようやく株式等(株式及び出資金)が出てきます。全体の10%という割合です。

では、外貨はどこ・・・?と調べても、数字がありません。そこで、資金循環統計を読みますと、以下の通りです。

外貨預金: 0.3%
外貨建投資信託: 1.6%
外貨建対外証券投資: 0.5%

というわけで、FXは調査対象外か、あるいは、あまりに規模が小さいので誤差になっているようです。実際のところ、FXの規模は外貨預金よりもずっと小さいです。そこで、FXは規模があまりに小さいので、発展の余地はとても大きいと考えることが可能です。

FX口座と証券口座を比較!

次に、FXと証券口座を比較しましょう。最初に、口座数です。2015年末の数字で、FXは直近3か月に取引があった口座の数、証券口座は保護預かり残高のある口座数(=残高が1円以上の口座数)です。

fx-accounts

FXと証券口座では、まったく比較になりません。比較の対象として証券口座を選んだのは間違いだったか?と思わせるレベルです。実際の口座数は以下の通りです。

FX: 734,023
証券口座: 23,603,083

まさに桁違いという表現が合っています。

個人向けFXサービスが日本で提供できるようになったのは、金融ビッグバンと呼ばれた1998年からです。よって、日本でのFXの歴史はまだ浅いです。それに比べて、株式は長い歴史があります。「投資といえば株式投資」というイメージを持っている方も多いと予想します。

これは、両者の歴史の違いなのかもしれません。

このようなFXですが、取引は順調に伸びているでしょうか。それを確認するために、建玉(たてぎょく)の推移をご覧ください。建玉とは、取引を開始したままの状態で、まだ決済していないものをいいます。信用取引などで使われる建玉と同じ意味です。

下のグラフで建玉の量の推移を確認しましょう。縦軸の単位は1億円です。

fx-positions

2008年のリーマンショックあたりで一時的な落ち込みが確認できます。しかし、それ以外は右肩上がりで伸びている様子が分かります。

ここで上の情報をまとめますと、以下の通りです。

1 FXは、株式投資等と比べて歴史が浅い
2 よって、口座数などの規模も小さい
3 しかし、取引量は増えている

このため、FX分野は今後有望な分野かもしれません。

証券会社のイメージは?

最後に、証券会社のイメージを確認しましょう。FXも証券会社が運営していることが少なくありませんから、おおむね同じようなイメージで把握できるかもしれません。日本証券業協会のアンケートによると、回答の上位3つは以下の通りです。

brokers-image

上の表は、金融資産額別にアンケートを集計したものです。左から2番目の「n」は、アンケートの回答数です。いくつかの特徴があるでしょう。

1 敷居が高い
比較の対象は銀行等でしょうか。日常的に使うかどうかで、敷居の高さが異なっている可能性があります。金融資産が大きくなると敷居の高さを感じる割合が減っています。これは、日常的に使っている人が多いからかもしれません。

2 あまり信用できない
時折ニュース等で報道される不祥事が、ここに表れている可能性があります。

3 経済情報源
金融資産が多くなるほど、証券会社を情報源としてみなしていることが分かります。インターネット取引画面で情報を得たり、市店頭で社員から情報を得ているのかもしれません。

FXは株式投資などに比べれば知名度が低いです。よって、正確な情報をより多く発信し、国民に認知してもらう必要があるでしょう。認知度が高まり、敷居の高さを和らげることができれば、さらなる発展を期待することも可能でしょう。

 

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