長期投資

日本のGDPと日経平均株価の関係

2016年5月8日

GDPは日本の経済状況を示す、最も基本的な指標の一つです。

ということは、GDPの増減と日経平均株価の間には何か明確な関係があるかもしれません。そこで、1994年半ば以降について確認しましょう。

実質GDP成長率と日経平均株価の関係

最初に、実質GDP成長率(前期比)と日経平均株価の関係を調べましょう。具体的に比較する前に、「実質GDP成長率(前期比)」とは何?を確認します。

名目GDP

国内総生産のことです。特定の期間に日本国内で作られた付加価値の合計を意味します。
大雑把な例を出しますと、100円の原材料を使って300円の商品を生み出せば、付加価値は200円となります。日本全体について付加価値を合計すれば、名目GDPを算出できます。

実質GDP

名目GDPから物価変動の影響を除いたものを、実質GDPといいます。

前期比

GDPは、四半期ごとに算出します。前四半期のGDPは、その前のGDPと比較して何%成長したか?を確認できます。

では、実質GDP成長率(前期比)と日経平均株価を重ねたグラフをご覧ください。GDPデータは内閣府ホームページから得ました。

左の縦軸は日経平均株価(円)、右の縦軸は前期比成長率(%)です。

日本のGDPと日経平均株価

上のグラフを見ますと、実質GDP成長率(前期比)と日経平均株価の間に明確な関係を見つけることが難しいです。極端に書くならば、関係ないとさえ言えそうに見えます。

実際には、広い意味での国力が増大すれば、日経平均株価も上昇するでしょう。よって、実質GDP成長率と日経平均株価の間には、何らかの関係があるはずです。

しかし、上のグラフではそれが分かりません。そこで、違う視点で比較しましょう。

GDP実額と日経平均株価の関係

上では、GDPの前期比%を使いました。今度は、GDPの実際の額と日経平均株価を比較してみましょう。以下のグラフです。右の縦軸はGDPの実額を示しており、単位は兆円です。

日本のGDPと日経平均株価

このグラフを見ても、GDPと日経平均株価の間に、明確な関係を見出すことが難しいです。2000年から2002年末の範囲を見ると、GDPは増えているのに日経平均株価は大きく下がっています。

また、2009年頃から2012年まで、GDPは増加しています。しかし、株価は低迷を続けています。

GDPが減少するとき

しかし、両者の間に全く関係がないかと言えば、そうでもありません。下のグラフをご覧ください。赤の四角で囲った部分では、GDPが減少しています。

この時には、日経平均株価もおおむね下落していることが分かります。

ただし、右3つの四角は破線にしました。というのは、GDPは減少しているのに、日経平均株価は横ばいまたは上昇しているからです。

日本のGDPと日経平均株価

よって、断定的に書くことは難しいものの、「GDPが減少するときには、日経平均株価もやや下落しやすい」と言えそうです。

なお、破線の部分は、2009年から2019年にかけての大きなGDP上昇トレンドの中で、小休止しているだけとも言えます。

このため、GDPの数字が少々下落しても、日経平均株価が上昇を続けるのは、矛盾していないと言えそうです。

GDPが上昇するとき

一方、GDPが上昇する場合は、どうでしょうか。上のグラフで、赤枠で囲っていない部分です。GDPが上昇するとき、必ず日経平均株価も上昇するとは言えないようです。

例えば、1995年、2001年、2016年あたりです。

しかし、全体的には、日経平均株価が上昇していると分かります。よって、「GDPが増加するとき、長期的には日経平均株価も上昇しやすい」と言えそうです。

GDPの推移と日経平均株価の推移が一致しない理由

実質GDPは最も基礎的かつ重要な経済指標の一つです。このため、日経平均株価の推移にも、何らかの影響を与えています。

グラフを見ると、概ねという感じですが、実質GDPと日経平均株価の間に関係があることが分かります。

では、GDPの推移と日経平均株価の推移が完全一致しない理由は何でしょうか。「GDP以外にも、日経平均株価に影響を与える要素が数多くある」からでしょう。

日経平均株価は、225の企業の株価を元にして作られています。それぞれの企業の株価は、様々な要因で形成されています。

GDPも株価形成に影響しているでしょうが、それは数多くある要因の一つに過ぎないということです。日経平均株価に影響を与える要素の例を、書き出してみましょう。

  • 金利
  • 企業業績
  • 為替レート
  • 政治の安定度合
  • 海外の景気
  • 株式に対する需要の増減 など

このような数多くの要素の一つとして、GDPがあるということです。

このため、長期投資で株式を保有する場合、GDPの推移に目を向けるとともに、為替レートや投資先企業の業績などもしっかりと検討することが必要です。

なお、当サイトで検討している中では、CPIと日経平均株価の関連も強いように見えます。詳細は、下のリンク先の記事でご確認ください。

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