GDPは日本の経済状況を示す、最も基本的な指標の一つです。

ということは、GDPの増減と日経平均株価の間には何か明確な関係があるかもしれません。そこで、1994年半ば以降について確認しましょう。

実質GDP成長率と日経平均株価の関係

最初に、実質GDP成長率(前期比)と日経平均株価の関係を調べましょう。具体的に比較する前に、「実質GDP成長率(前期比)」とは何?を確認します。

名目GDP

国内総生産のことです。特定の期間に日本国内で作られた付加価値の合計を意味します。大雑把な例を出しますと、100円の原材料を使って300円の商品を生み出せば、付加価値は200円となります。日本全体について付加価値を合計すれば、名目GDPを算出できます。

実質GDP

名目GDPから物価変動の影響を除いたものを、実質GDPといいます。

前期比

GDPは四半期ごとに算出します。前の四半期のGDPはその前のGDPと比較して何%成長したか?を確認できます。

では、実質GDP成長率(前期比)と日経平均株価を重ねたグラフをご覧ください。GDPデータは内閣府ホームページから得ました。左の縦軸は日経平均株価(円)、右の縦軸は前期比成長率(%)です。

GDPと日経平均株価

上のグラフを見ますと、実質GDP成長率(前期比)と日経平均株価の間に明確な関係を見つけることが難しいです。極端に書くならば、関係ないとさえ言えそうに見えます。

そこで、違う視点で比較しましょう。

GDP実額と日経平均株価の関係

上ではGDPの前期比%を使いました。今度は、GDPの実際の額と日経平均株価を比較してみましょう。以下のグラフです。右の縦軸はGDPの実額を示しており、単位は兆円です。

GDPと日経平均株価

このグラフを見ても、GDPと日経平均株価の間に、明確な関係を見出すことが難しいです。2000年から2002年末の範囲を見ると、GDPは増えているのに日経平均株価は大きく下がっています。これは逆転現象と呼んで良いかもしれません。

GDPが減少するとき

しかし、両者の間に全く関係がないかと言えば、そうでもありません。下のグラフをご覧ください。赤の四角で囲った部分ではGDPが減少しています。この時には、日経平均株価もおおむね下落していることが分かります。

ただし、右2つの四角は破線にしました。というのは、GDPは減少しているのに、日経平均株価は横ばいまたは上昇しているからです。

GDPと日経平均株価

よって、断定的に書くことは難しいものの、「GDPが減少するときには、日経平均株価もやや下落しやすい」と言えるかもしれません。

GDPが上昇するとき

一方、GDPが上昇する場合は、どうでしょうか。上のグラフで、赤枠で囲っていない部分です。GDPが上昇するとき、必ず日経平均株価も上昇するとは言えないようです。例えば、1995年、2001年、2016年あたりです。

しかし、全体的には、日経平均株価が上昇していると分かります。

よって、「GDPが増加するとき、長期的には日経平均株価も上昇しやすい」と言えそうに見えます。

GDPの推移と日経平均株価の推移が一致しない理由

GDPは最も基礎的かつ重要な経済指標の一つです。このため、日経平均株価の推移にも、何らかの影響を与えているはずです。しかし、グラフで見る限りは明確な関係を見つけることが難しいです。

では、GDPの推移と日経平均株価の推移が一致しない理由は何でしょうか。「GDP以外にも、日経平均株価に影響を与える要素が数多くある」ということでしょう。

日経平均株価は225の企業の株価を元にして作られています。それぞれの企業の株価は様々な要因で形成されています。GDPも株価形成に影響しているでしょうが、それは数多くある要因の一つに過ぎないということです。

日経平均株価に影響を与える要素の例を、書き出してみましょう。

・ 金利
・ 企業業績
・ 為替レート
・ 政治の安定度合
・ 海外の景気
・ 株式に対する需要の増減 など・・・

このような数多くの要素の一つとしてGDPがあるということです。このため、長期投資で株式を保有しようという場合、GDPの推移にも目を向けるべきでしょうが、あまりに重要視する必要はないかもしれません。

為替レートや投資先企業の業績などもしっかりと検討しましょう。

なお、当サイトで検討している中では、CPIと日経平均株価の関連が強いように見えます。詳細は「消費者物価指数(CPI)上昇率と日経平均株価の関係」でご確認ください。

 

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