株式売買で利益を得るには、2つのステップが必要です(買いの場合で考えます)。
- ある株式を買う
- 価格が上昇したら売却する
すなわち、買うために発注し、買った後にも発注する必要があります。しかし、いつも相場を確認するわけにはいきません。
そこで、事前に、上の2つの注文を発注できれば便利です。
IFD(イフダン)注文とは
IFD(イフダン)注文とは、ある株式を買うという注文と、買った後にいくらで売却するかという注文を、事前にまとめて発注できる方法です。
信用取引等で売りから始める場合は、「ある株式を新規に売るという注文と、売った後にいくらで買い戻すかという注文」を、あらかじめ発注できるということです。
この発注方法の有効性を確認するため、IFD注文が使えない場合を考えてみましょう。
IFD注文が使えない場合
皆様には、こんな経験はないでしょうか。下のチャート図をご覧ください。
寄付き前(取引開始時刻の前)に、指値で買い注文を出しました。そして仕事や学校に出かけます。帰宅後に確認してみると、見事に約定していました。
「やった!約定できていた!」
しかし、口座情報をよく見ると、含み損でした。全然うれしくありません。また、日中の値動きを見ると、さらに面白くありませんでした。買った後に大きく株価が上昇していたのです。
そこで売れば良かったのですが、日中は会社や学校にいるので、発注できません。スマホで発注という手段がありますが、いつもスマホを使えるというわけでもありません。
そして、大引け(取引終了時刻)にかけて、株価は大きく下落してしまいました。
翌日の相場で再び株価が上昇すればよいのですが、上の図の右端の破線のように、下落トレンドになってしまうかもしれません。
こうなると、買った後に売れなかったというのは大きなダメージになります。
この問題を解決するのが、イフダン注文(IFD注文)です。
IFD注文の使い方
上の例で考えますと、IFD(イフダン)注文を使えば、「もし指値注文が約定したら、××円で売却したい」という2つの注文を同時に出せます。
最初に出した指値注文が成立しなければ、××円で売却したいという注文は発注されません。待機状態です。
そして、実際に指値注文が成立したら、××円で売却したいという注文が有効になります。
さて、このIFD注文を使って、上の例の取引をしていた場合、どのようになるでしょうか。下のチャート図をご覧ください。
- 寄付き前に、指値で買い注文を出しました。
- 見事に約定して、買うことができました。
- 株式を買った瞬間に、売却注文が有効になりました。そして、売却に成功です。
上の例のように、いつも希望通りに株価が動いてくれるとは限りません。しかし、売却チャンスを逃してしまって悔しい思いをする可能性を減らせます。
立会時間中に自由に売買できないという場合、このイフダン(IFD)注文はとても心強い味方になってくれるでしょう。
IFD注文は、損失限定にも使える
上の例は、株式を買った後に利食いする場合を考えています。そうではなく、損失限定のためにIFD(イフダン)注文を使うこともできます。
例えば、ある株式を1,000円で指値買いするとします。そして、株価が上昇する場合は、可能な限りずっと保有したいと考えています。一方、価格が下落する場合は、980円で損切りしたい場合です。
この場合も、IFD注文を使えます。
トレードする場合、どうしても利益に注意が向きがちです。しかし、損失限定のためにIFD注文を使うことにより、結果として大きな利食いを狙うことが可能です。
IFD(イフダン)注文ができる証券会社
この注文方法はとても便利ですが、全ての証券会社で使用できる注文方法というわけではありません。
そこで、このイフダン注文ができる証券会社の例を紹介します。
関連記事