教科書的に考えるならば、景気が悪くなると日銀は政策金利を引き下げて景気を刺激します。また、景気が回復したり拡大したりすると、政策金利を引き上げて景気の過熱を防止します。

一方、景気が良ければ株価は高いでしょうし、景気が悪ければ株価は安いと考えられます。

ということは、金利と日経平均株価の間に何か有意な関係があるかもしれません。そこで、代表的な金利である国債金利と日経平均株価の関係を調べました。国債金利は財務省ホームページから得ています。

2年債金利と日経平均株価

最初に、短期国債と日経平均株価の関係を概観しましょう。短期国債といっても、国債には様々な年限があります。ここでは例として2年債にしましょう。

1994年以降の2年債利率と日経平均株価の関係は、下のグラフの通りです。左の縦軸が日経平均株価、右の縦軸は2年債の利率(%)です。

短期金利と日経平均株価

1994年に3%弱あった2年債の利率です。その後急落下して2005年に至ります。利率はほとんどゼロです。そして、2005年以降に1%くらいまで上昇しましたが、再び下落した様子が分かります。

このグラフでは分かりづらいですが、2014年や2015年にはマイナス金利も記録しています。

一方、日経平均株価を見ますと、短期金利との連動性をある程度確認できます。1994年から2003年にかけて、上下動しながらも株価は下落傾向でした。金利も下落傾向です。2005年から2008年にかけての上昇と下落についても、短期金利との連動性を確認できます。

しかし、2012年以降については連動性がありません。株価は大きく上がりましたが、短期金利はマイナス圏に突入しています。

以上の内容から考えると、短期金利を基準にして日経平均株価の趨勢を把握したり予測したりするのは難しそうだといえるでしょう。

10年債金利と日経平均株価

次に、長期国債金利と日経平均株価の関係を調べましょう。長期債と言えば一般的に10年債というイメージがあるでしょうから、10年債の利率と比較しましょう。結果、以下の通りです。

長期金利と日経平均株価

2年国債よりも10年国債の方が、日経平均株価との連動性が高いように見えます。

1994年から2002年末まで:
→ 長期金利は下落傾向であり、日経平均株価も趨勢としては下落しています。
2003年から2007年まで:
→ 長期金利は上昇傾向であり、日経平均株価も上昇しています。
2008年から2012年まで:
→ 長期金利は下落傾向であり、日経平均株価も下落しています。

しかし、2012年後半以降は連動性が失われてしまいました。株価は大きく上昇したのに対して、長期金利は下落トレンドが止まりません。過去最低値を更新し続けるという状態です。

2012年後半以降は、いわゆるアベノミクスの時代です。世界的に非伝統的な金融政策が実行されてきたため、長期金利と日経平均株価の連動性が失われたのかもしれません。

日本を含めた世界経済が正常化すれば、長期金利と日経平均株価の連動性が復活するかもしれませんが、それまでは長期金利を基準にした日経平均株価への投資は難しいといえるでしょう。

 

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