「上昇トレンドでは、現物株を買うより、もっと大きな収益を狙いたい」と思う場合があるでしょう。しかし、信用取引の勉強はしたくないし、敷居が高いと感じるかもしれません。

このような場合、「レバレッジ型ETF」が有効かもしれません。現物株の整数倍の値動きをするETFです。

レバレッジ型ETFの特徴

レバレッジ型ETFは、その名前のとおり「レバレッジ」を使ったETFです。例えば、日経平均レバレッジ上場投信(1570)の場合、日経平均の値動きの2倍の大きさで動きます。すなわち・・・

・日経平均が10%上昇したら、このETFは20%上昇します。
・日経平均が10%下落したら、このETFは20%下落します。

日経平均レバレッジ上場投信(1570)は、日経平均レバレッジ・インデックスを基準にして値動きします。そこで、日経平均レバレッジ・インデックスと日経平均株価の値動きを比較しましょう。

日経平均レバレッジ・インデックスと日経平均株価

下のチャートを見ますと、日経平均株価が上昇するとき、日経平均レバレッジ・インデックスは日経平均よりも大きく上昇していることが分かります。

同様に、日経平均が下がるときにも、日経平均レバレッジ指数はより大きく下がっていることが分かります(下のグラフは、2013年1月終値を100として指数化しています)。

日経平均レバレッジ・インデックス

基準の日付を変更しても、同じ関係が成り立ちます。下は、2015年1月を基準にして指数化したものです。

日経平均レバレッジ・インデックス

日経平均のレバレッジ型ETFは、日経平均株価の値動きを増幅して上下動するということです。

レバレッジ型ETFのメリット

ETFを一言で説明するならば、「上場している投資信託」です。このため、他の上場銘柄と同じように売買できます。そして、「レバレッジ型ETF」とは、レバレッジが効いているETFということです。

その値動きの特徴は、上で紹介しました通りです。以上のことから、以下のメリットとデメリットが見えてきます。

メリット

信用取引と同じような取引ができるのに、信用取引にあるような面倒さがありません。

・信用取引口座を作る必要はありません。
・信用取引では必要な金利支払いですが、ETFでは不要です。
・信用取引について改めて勉強する必要が少ないです。

これはとても大きなメリットです。価格変動が大きいというメリットとの相乗効果で、人気を集めているのかもしれません。

デメリット

デメリットは、価格変動が大きいということでしょう。「期待通りに価格が動けばメリットだけれど、期待外れの値動きだったら損失が大きくなる」ということになります。

よって、投資金額は少なめにしましょう。

レバレッジ型ETFで、短期・長期取引

では、レバレッジ型ETFを使って、短期取引と長期取引を考えてみます。どれくらい成功を期待できるでしょうか。レバレッジ型ETFの例として、日経平均レバレッジ上場投信(1570)で考えることにします。

短期取引

短期取引で重要なのは、流動性です。すなわち、買いたいときに買えて、売りたいときに売れることが大切です。「今が買いチャンス」と思っても、売り注文がなければ買えません。

そこで、出来高を確認しましょう。野村アセットマネジメントからの引用です(日経平均レバレッジ上場投信は、野村アセットマネジメントが運営しています)。

日経平均レバレッジ上場投信

上の赤い棒グラフが出来高です。毎日、300万口~700万口くらいが売買されています。よって、流動性は十分大きいと言えます。

あとは、価格が上昇すると思うタイミングで買い、利が乗ったら売却を狙います。このレバレッジ型ETFは、日経平均株価の2倍の速度で動きます。よって、通常の日経平均ETFに比べて、利益は2倍、損失も2倍です。

必要な資金は、通常の日経平均ETFに比べて半分

レバレッジ型ETFは、レバレッジがかかっていない(通常の)日経平均ETFに比べて、利益が2倍(損失も2倍)です。ということは、レバレッジETFで必要な資金は、通常のETFの半分で済みます。

例えば、通常の日経平均ETFを10口(20万円分)買って、利幅500円を狙うとしましょう。このとき、利益は5,000円です(10口×500円)。同じ利益が欲しかったら、レバレッジ型ETFを5口(10万円分)買うだけでOKです。

利幅500円×5口=2,500円ですが、レバレッジ型ETFなので、利益は2倍に増幅されます。すなわち、2,500円×2=5,000円です。

より少ない資金で大きな利益を狙えるので、資金効率が良いということになります。ただし、損失になる場合にも、資金効率の良さが発揮されてしまいます。そこで、損切り注文を確実に実行しましょう。

長期取引

レバレッジ型ETFは、日経平均の値動きの2倍で動きます。しかし、この2倍というのは、前日と当日を比較した場合の話です。

すなわち、2営業日以前と当日の価格を比べると、必ずしも2倍になるとは限りません。ズレが生じます。このため、野村アセットマネジメントでは、レバレッジ型ETFでの長期運用は向かないとしています。

しかし、このズレを許容するならば、長期運用も可能でしょう。上昇するときも下落するときも、大きく動くという特徴に変わりはありません。

レバレッジ型ETFとインデックスの乖離

では、日経平均レバレッジ上場投信と、日経平均レバレッジ・インデックスは、どれくらいの誤差が発生するでしょうか。これを調べたのが、下のグラフです。2013年1月を100とした場合の推移です。

レバレッジ型ETF

青線は、日経平均レバレッジ・インデックスを示します。赤線は、日経平均レバレッジ上場投信です。この2つのグラフにはズレができていますが、概ね同じような推移です。

長期運用の場合、必ずしも2倍とは言えないですが、値動きが増幅されるという特徴は維持されます。日経平均レバレッジ・インデックスを基準にして長期運用したい場合は、日経平均レバレッジ上場投信も候補になるでしょう。

ただし、分配金は0円です。分配金を期待する場合は、レバレッジを使っていない通常の日経平均ETFが候補になります。

 

株式投資:応用編
こんな金融商品もあります!
→ 「株式投資:応用編」カテゴリに戻る