配当や株主優待目的で、ある株式を長期間保有しているとしましょう。しかし、何らかの理由で、その株価はこれから大きく下落ししそうな勢いです。

・今持っている株式は売りたくない
・株価は下落しそうだが、評価損は出したくない

この2つの矛盾した希望を達成するための方法があります。信用売りを使います。

信用売りで損失回避

下の図を使って、具体的に考えてみましょう。青の曲線は株価の動きです。

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「1:買い」のところで、長期投資用に株式を買ったとします。この保有株は何が何でも売らないで配当と株主優待をもらおう!と決めたとしましょう。

しかし、雲行きが怪しくなってきました。株価が下落しそうです。そこで、「2:信用売り」のところで、新規に信用売りを仕掛けました。この場合も、保有株は売りません。持ち続けます。

そして、株価がある程度下落したら、「3:買戻し」のところで信用売りを終了します。こうすると、保有株は含み損が出ていますが、信用売りによって、図の赤矢印の部分の利益が出ています。この部分についは、損にも利益にもならずに済んだということになります。

そして、将来再び株価が上昇すれば、保有株は含み益になり、そして信用売りで利食いした分もしっかり確保できるということになります。

取引方法をもう少し詳細に検討

ではここで、上のトレード方法をもう少し詳細に検討してみましょう。

どれだけの数量で、いつ信用売りをする?

株価下落による損失を回避するための信用売りです。そこで、ここで下落しそうだという点で売ります。

(1)株価が下落しないで上昇してしまったら?

この場合、信用売りは損失となりますが、現物で持っている株式が含み益となります。このため、痛手にはならないでしょう。ただし、信用売りの数量が大きい場合、現物株式の含み益よりも大きな損失を出してしまいます。

そこで、信用売りする数量は、現在持っている株式の数量と同じか、それよりも少なくすると安全度が高くなるでしょう。

(2)株価が下落する場合は?

保有している株式は評価損を計上してしまいますが、信用売りしているトレードは含み益となります。このため、株価が下落する場合は問題ないでしょう。

どこで買い戻して信用売りを終わらせる?

どこで信用売りを終わらせるかというのが難しいかもしれません。可能ならば、少しでも大きく下落した時点で買い戻したいです。しかし、あまりに狙いすぎると、買い戻すチャンスを逃してしまうかもしれません。

この場面で信用売りをしている理由を考えますと、現物株式の含み損を減らすことが目的です。このため、信用売りで大きく利益を上げることを重視しないで、含み損を減らすという目的が達成できたところで信用売りを終了させることも選択できるかもしれません。

すなわち、信用売りによる利食いは「そこそこ」にしておくということです。

株価がさらに大きく下落する期待がある場合は、その下落についていって大きな利食いを目指すことも検討できるでしょう。

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