株式投資の基本といえば、「安く買って高く売る」でしょう。しかし、この方法では相場の下落局面で収益を狙えません。株価下落局面で収益を狙うには、以下の方法が必要です。
2 それを売る
3 安くなったところで、その株を買い戻す
4 株式を元のところに返す
5 手元に残った収益が利益となる
分かりやすくするために具体的に考えますと、
2 それを100万円で売りました。手元には100万円あります。
3 株価が80万円になったので、その株を買いました。手元に株式と20万円があります。
4 買った株は、持ち主に返しました。
5 手元に残った20万円が利益です。
これを実行する方法として、信用取引があります。図で確認しましょう。証券会社から株を借りて、取引所で取引して、最終的に株を返すということが示されています。
信用売りの注意点
以上の通り、信用取引は下落相場でも収益機会があるのが特徴です。なお、信用取引で売ることを「信用売り」といいます。また、この信用取引には注意点もありますので確認しましょう。
注意点1: 自己資金の3倍くらいまで取引可能
例えば、自己資金が10万円だったとすると、30万円分の取引まで可能ということです(もちろん、10万円未満の取引でも構いません)。
自己資金の2倍で取引するとき、利益は2倍になりますが、損失も同様に2倍になります。大きな金額でトレードして期待通りに株価が動けば満足ですが、いつも期待通りに動くとは限りません。そこで、自己資金に比べて大きすぎる金額で取引しないように注意しましょう。
注意点2: 費用がかかる
株式を売買するためには手数料が必要ですが、信用売りではそれ以外にも費用がかかります。具体的には、株を借りるための費用です。具体的には、2種類あります。
(1)貸株料
口座を持っている証券会社から株式を借りて売りますが、そのときに支払う料金です。年率××%という形で支払います。このため、長期間借りるほど貸株料が大きくなります。
(2)品貸料(または、逆日歩)
口座を持っている証券会社に株を貸すように依頼したところ、証券会社がその株式を十分な数量だけ持っていなかったとしましょう。この場合、証券会社は証券金融会社から株式を借りてきます。よって、証券金融会社に支払う借り賃が必要になります(制度信用取引の場合)。
この費用も、1日ごとに加算されていきます。よって、信用売りで取引を長期間続けると、手数料が大きくなってしまいますので気を付けましょう。
- メリット: 売りでトレードを始めるメリットは何か?
- 下落警戒: チャートがどうなったら、下落トレンドに注意すべき?
- 下落速度: 株価の上昇速度よりも下落速度の方が速い理由は?
- コスト: 信用取引をするのに必要なコストは何?
- 損失回避: 信用取引で、長期保有株式の損失回避