国民年金は、日本に居住する20歳以上60歳未満の全ての人が加入しています。そこで、国民年金の現状について確認しましょう。

年金保険料の支払いを回避したほうがお得でしょうか。それとも、しっかり払ったほうが良いでしょうか。

年金保険料と給付額(老齢基礎年金)の推移

ここでは、年金保険料と給付額の推移について考察しましょう。最初に、年金保険料(月額)の推移グラフです。

national-pension-premiums毎年とは言えませんが、それに近い感じで年金保険料が上昇していることが分かります。

2017年まで上昇し、月額16,900円になります。高齢者が多くて現役世代が少なくなるという状況を考えれば、月額16,900円から上昇することはない、と考えるのは楽観的過ぎるかもしれません。

ちなみに、月額16,900円ということは、年額202,800円です。現役世代は何かと支出が多いですから、かなり負担が重いです。

次に、老齢基礎年金(65歳以上になったらもらえる年金額)の推移を確認しましょう。こちらのグラフは年額です。

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2000年までは急上昇している様子が分かります。そこからじわじわと減少しています。

2000年にかけて支給額が増えたと言っても、現役世代にとっては遠い昔の話かもしれません。一方、2000年以降は、緩やかながら継続的に支給額が減少しています。また、年金保険料は毎年のように上昇しているのですから、全然割に合わないと感じるのもやむを得ないかもしれません。

しかも、「消えた年金」などの諸問題は、結局うやむやになってしまいました。信用しなさいというほうが無理かもしれません。

それでも、国民年金保険料は支払ったほうがお得

こんな状況ではありますが、それでも国民年金保険料を支払ったほうがお得です。なぜでしょうか。まず、保険料と老齢基礎年金の額を比較しましょう。

2016年現在:
国民年金保険料(年額):195,120円
受け取る年金(老齢基礎年金、年額):780,100円

現在の現役世代が支払う保険料は、将来的にはもっと高くなるかもしれません。また、受取額はもっと低くなるかもしれません。しかし現時点で、受取りと支払いの差は4倍近くあります。

世の中を見ますと、投資環境は良好とは言えません。債券の金利はゼロ近辺に張り付き、株式等への投資はリスクがありますので慎重にならざるを得ません。しかし、年金保険料の4倍の額の支給が可能なのはなぜでしょうか。

それは、「年金(老齢基礎年金)の半分は税金で支給しているから」です。

国民年金保険料を支払っていないと年金をもらえません。そして、受取額のうち半分は税金で賄っています。ということは、保険料を支払っていないと、税金の分だけ損です。

また、国民年金は老後のためというイメージが強いですが、現役世代でも支給されます。例えば、以下の通りです。

1. 障害基礎年金

国民年金加入期間中に一定の障害の状態になると、障害基礎年金を受給できます。65歳になるのを待つ必要はありません。障害となった人に子がいれば、金額が加算されます。

平成28年度(2016年度)の場合、以下の通りです。
障害の程度が1級の場合: 975,125円(年額)+子の加算
障害の程度が2級の場合: 780,100円(年額)+子の加算

子の加算:
第1子、第2子: 各224,500円(年額)
第3子以降: 各74,800円(年額)

2. 遺族基礎年金

国民年金に加入している人が亡くなったとき、その人の収入によって生計を維持していた「子がいる配偶者」または「子」に支給されます。

平成28年度の場合:
子が一人いる妻:1,004,600円(年額)

とても手厚い保障ですが、国民年金保険料を未納していると、受給できません。

国民年金をうまく利用すれば、別途加入する生命保険を安く抑えることも可能でしょう。この制度を知っていないと、余分なお金を生命保険等に支払うことになるかもしれません。

さらに・・・年金支給開始年齢がどんどん上昇しているというニュースを耳にすることがあるでしょうが、それは「厚生年金」の話です。国民年金はずっと支給開始年齢が変わっていません。65歳のままです。

国民年金への税金投入額は、時を経て上昇してきました。厚生年金に比べて、国民年金の制度は何としても守ろうという国の姿勢が垣間見えます。

なお、年金を理解するのは難しいです。国民年金・厚生年金・厚生年金基金等、制度が複雑なのが悪いのだろうと感じますが、知識がないと適切な判断ができません。厚生年金の制度が悪化しているのに比べれば、国民年金はかなり頑張っている(?)と言えそうです。

国民年金保険料は支払ったほうがお得です。

 

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