あるとき、株式を買いまいた。あとは、株価が上昇するのを待つだけです。いつも株価が上昇すれば問題ないですが、現実には株価が下落することもあります。
その場合、損失確定の売却をしなければなりません。
そうしないと、含み損がどんどん大きくなって、いわゆる塩漬けになってしまうかもしれないからです。
株主優待狙いの長期投資ならば、塩漬けでも良いかもしれません。
しかし、特に短期トレードの場合には、負けトレードをいかに上手に乗り切るかが、成功のカギを握るといっても過言ではないでしょう。そこで活躍するのが、OCO注文です。
OCO注文とは
OCO注文とは、利益確定の売り注文と、損失確定の売り注文を同時に出せるという方法です(信用売りしている場合は、利益確定の買い注文と、損切りの買い注文を同時に出せます)。
下のチャート図で具体的に確認しましょう。
下の図の左側の点で、株式を買いました。株価が上昇したら、ある株価で売りたいと考えています。また、残念ながら株価が下がってしまった場合にも、特定の株価で売りたいと考えたとします。
この時にOCO注文を使います。
期待通りに株価が上昇した場合
株価が上昇した場合、利益確定の売却注文が実行されて約定します。そして同時に、損失確定の注文はキャンセルされます。
損切り注文を、わざわざ手動でキャンセルする必要はありません。
残念ながら株価が下がった場合
意図に反して株価が下落する場合、損失確定の売却注文が執行されて約定します。そして同時に、利益確定の注文はキャンセルされます。
別途、注文をキャンセルする必要はありません。
同時に2つの注文を発注しておきながら、1つが成立するともう一つは自動でキャンセルされますので、とても便利な注文方法です。
OCO注文のメリット
OCO注文のメリットは、利益確定注文と損失確定注文を同時に出せるということです。
さらにもう一つ、とても重要なメリットがあります。それは、「より確実に売却を実行できる」ということです。
例えば、特定の株価になったら、成行で売却しようと考えたとしましょう。実際にその株価になったとします。
さて、売却するとき、どんな感情が出てくるでしょうか。
含み益があるとき
・ここで売却するのはもったいないかも。
・ここで我慢すれば、もっと含み益を大きくできるかも。
・しかし、ここで売却しないと、反落したら困る。
・どうしようかな…。
含み損があるとき
・含み損があるのに売ったら、実現損になってしまうから嫌だ。
・ここで我慢すれば、再び株価は上昇するかもしれない。
・でも、このまま株価が下落するかもしれない。
・どうしようかな…。
売却注文を出すために、心の中で大きな迷いが出てきます。その結果が良い方向に出れば満足ですが、失敗だったらとても後悔するでしょう。
「やっぱり、始めに決めた株価で売ればよかった」という具合です。
また、取引のたびにこのような迷いがあっては、いつか疲れてしまいます。疲れるようなトレードでは、どこかで行き詰ってしまいます。
OCO注文は、あらかじめ利益確定と損切りの注文を出せるのが特徴です。すなわち、ここで考察したような心の迷いを防ぐことができます。
OCO注文を出したら、後は株価の動きをのんびりと見守りましょう。
OCO注文のコツ
OCO注文を実際に使うときのコツを考えましょう。下のチャート図を使います。
図の左側の部分で買いました。そして、OCO注文で利益確定と損失確定の両方の注文を発注します。この時、利食い幅と損失幅を比較して、利食い幅の方が大きくなるようにします。
実際にトレードする場合、勝率がどれくらいになるか、一人ひとり異なるでしょう。
しかし、勝率が50%を超えていれば、悪くない数字として満足できると思います(もちろん、もっと高い方が良いです)。
しかし、勝率は50%を超えていても、利食いするときの利益は少しで、損切りの時のマイナスは巨大だと、合計で損してしまいます。
そこで、利食いするときの金額を、損切りのときの金額よりも大きくします。
- 勝率は50%より大きい
- 利食い額は、損切り額よりも大きい
これを継続すれば、長期的に見て資産は増えていくと期待できます。
また、トレードするたびに期待通りに株価が動けば良いですが、そういうわけにもいきません。
そこで、毎回の利食い額が損失額よりも大きくなるようにしておけば、たとえ勝率が少々落ち込み気味になっても、トータルでは損しないという株取引が可能です。
なお、調子が良いときには、このようなルールを作らなくても良いかもしれません。しかし、ずっと永遠に絶好調を期待するのは無理があります。
そこで、少々調子が悪い時にでも損失が積み上がらないように、このような工夫ができます。
OCO注文を使える証券会社
さて、このように有用性が高いOCO注文ですが、全ての証券会社で利用できるというわけではありません。
OCO注文を使える証券会社の例を、紹介します。
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