インジケーターを使わないチャート分析は、意外に難しくありません。比較的分かりやすい方法がいくつもあります。しかも、的中率が比較的高いです。

ここでは、ペナントを考察します。これは別名「三角保ち合い(読み方:さんかくもちあい)」と呼ばれるものです。

ペナントとは

チャート分析をする際、サポートライン(下値支持線)やレジスタンスライン(上値抵抗線)を使うことがあります。2種類の名前を出しましたが、いずれも機能は同じです。「なぜだか分からないけれど、株価が特定の位置まで来ると反転しやすい」という線を言います。

この2つの線が特定の形になるとき、ペナントが出来上がります。イメージ図としては、以下の通りです。青い曲線は株価の推移を示します。

ペナント

赤の破線(補助線)を2本引いています。上側がレジスタンスライン、下側はサポートラインです。理由は不明ながら、株価が破線あたりまで来ると、反落したり反発したりする様子を描いています。

この2本の線が平行でなく、徐々に差を詰めている場合、株価の動く範囲も徐々に狭くなっていきます。

値動きがだんだんと小さくなって、このままいくと最終的に値動きがなくなるという前に、上方向または下方向に大きく動くというパターンです。これがペナント分析です。

ペナントが完成する前に大きく動く場合もある

上のチャート例では、株価は2本の補助線が交わるあたりまで動いています。そして、一気に株価が上昇しています。実際に株価を確認しますと、ここまで美しいペナントにならない場合が珍しくありません。

すなわち、2本の補助線が交わるあたりまで株価が進む前に、上方向または下方向に大きく動く場合です。

よって、実際にチャートを分析する場合は、「補助線が交わるあたりで株価が大きく動く」ではなく、「補助線が交わるまでに株価が大きく動く可能性がある」という認識の方が望ましいです。

そうすれば、株価が予想より早く大きく動いても、対応する精神的余裕が出てきます。

日経平均株価でペナントを確認

では、実際のチャートでペナントを確認しましょう。銘柄数はたくさんあるので、ここでは日経平均株価を利用します。最初に、長期チャートでペナントを探します。

下の長期チャートで、ペナントを探せるでしょうか。

日経平均株価

下の赤線を引いた部分で、ペナントを確認できます。ペナント完成前に株価が大きく上昇していて、美しい三角形だとは言えません。しかし、この当時にペナントを確認していたら、「近いうちに大きく動く可能性がある」と準備できたことでしょう。

その後、大きな株高が実現しています。

日経平均株価とペナント

日足チャートでペナントを確認

次に、日経平均株価の日足チャートで確認しましょう。2018年7月から8月にかけてのチャートです。下の赤線部分と青線部分で、ペナントを確認できます。ペナントが終了してから大きく株価が動いていることが分かります。

日経平均株価とペナント

なお、日足でペナントを考える場合、「ヒゲをどう扱うか」が問題になる場合があります。上のチャートでは、ヒゲを考慮せず、チャートの実態部分だけでペナントを考えています。

ヒゲを完全に考慮して補助線を引くと、ペナントに見えないかもしれません。

当サイト運営者の場合、ヒゲを考慮しないで補助線を引く方が、ペナントが分かりやすいと思います。ヒゲの扱いについて決まりはありませんので、分かりやすい方法で考えて構わないでしょう。

どこで取引を開始するか

では、ペナントが形成されてきた場合、どのようにトレードしましょうか。2つの案をご紹介します。

案1:ペナントの中で小さく利食いを繰り返す

ペナントが形成されつつあるとはすなわち、値動きがだんだんと小さくなっているということです。そこで、この三角形の中で買いと売りを繰り返します。すると、小さな利食いを何回も繰り返せます。

ただし、ペナントはいつか終了します。そこで、どこかでこのトレード方法を終了して、次の大きな波を待ちます。

また、損切り注文の設定も必須です。株価は、最終的に上昇または下落するでしょう。そのときに損切り注文を出していないと、大ダメージになってしまうかもしれません。

損切り注文が約定してしまっても、その前の小さな利食いの繰り返しで、損益合計でプラスになればOKです。最終的に損切り注文が約定することなくトレードできれば、数多くの売買を繰り返して全勝という、満足できるトレードになります。

案2:ペナントが終了して、株価が動く方向に取引する

ペナントが終了したら、株価は上昇または下落すると期待できます。そこで、株価が動いた方向にトレードします。株価が上昇する方向だったら現物の買い、株価が下落する方向だったら、信用取引の売りなどです。

株価が大きく動く可能性がありますから、取引金額を十分に小さくして安全度を高くしましょう。「大きく動くはずだから、ここは勝負に出よう!」という感じで大きな金額を投入すると、突発的なニュースなどで株価の動きが逆転したときに、大変なことになりかねません。

相場は今回の勝負で終了というわけではありません。相場はこれからもずっと続きますので、投資額は十分に小さくしましょう。そして、勝ちグセがついてから少しずつ取引金額を大きくしていきたいです。

 

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