株の世界では、良く分からないけれども株価はそのように動くらしい・・・と言われている事柄があります。これを「アノマリー」といいます。このシリーズでは、過去の日経平均株価を使って、アノマリーが正しかったかどうかを確認しましょう。

この確認作業のことをバックテストといいます。

今回のアノマリー:
「株は5月に売れ」
「Sell in May」

株は5月に売るべきらしいです。その理由は、6月以降に株価が安くなる傾向にあるからでしょう。果たして、それは本当でしょうか。2008年から2015年までの日経平均株価で確認しましょう。

各年の4月から7月までの日足終値のグラフを確認します。2008年から2015年までのグラフを一つにまとめると見づらいので、3つに分けました。順に確認します。

2008年~2009年
sell-in-may-2008-20095月よりも6月の方が株価が高いことが分かります。そして、6月の終わりくらいから下落トレンドになり、7月に再び上昇している様子が分かります。

2008年と2009年の場合、5月に売るよりも6月に売るほうが良かったということが分かります。2009年5月に売った場合、6月~7月と全体的には上昇傾向ですから、かなり苦しい状況となったでしょう。

2010年~2012年
sell-in-may-2010-20122010年と2012年に関しては、5月に売ると概ね良好だったかもしれないという結果です。しかし、5月に売るのでなく、4月に売るほうが良かったことも分かります。

2011年は全体的に横ばいでしたので、5月に売ってもあまり効果的でなかったということが分かります。

2013年~2015年
sell-in-may-2013-2015

2014年と2015年は、5月に売っても効果的でなく、逆に損していたかもしれないという結果が分かります。2013年は5月に売って正解です。5月半ばに株価は頂点を付け、その後6月にかけて下落している様子が分かります。

結論

以上、8年間の日経平均株価を使った検証(バックテスト)から言えることは・・・

「株は5月に売れ」は日経平均株価ではあてはまらない

では、なぜこのアノマリーが広く知られているのでしょうか。理由を予想してみます。

・日経平均株価では当てはまらないが、個別銘柄では当てはまる場合がある
・日経平均株価では当てはまらないが、特定の外国株ならば当てはまる場合がある
・みんながそう言っているから、何となくそうだろうと思っている

事実はどうなのか分かりませんが、世の中で広く噂されていることは本当なのかどうか、実際に確認する必要があるでしょう。確認しないまま実戦のトレードで使うのは危険だと分かります。

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