短期トレードでは、株式を持った後、利食いの指値注文と損切りの逆指値注文を使うことがあります。そして、いったん発注すると、指値注文の価格も逆指値注文の価格も、変化することはありません。

変更したい場合は、改めて発注します。

これに対して、トレーリングストップは、売却価格を自動で変化させる注文方法です。

トレーリングストップとは

トレーリングストップとは、株価の値動きに合わせて逆指値注文を移動させる方法です。

具体的に確認しましょう。

下のチャートで、「買い」と書いてあるところで買いました。「指値」と書いてある株価で利食いする予定です。一方、予想は外れることもありますから、「逆指値」と書いてあるところで損切りする予定です。

今のところ、順調に株価が上昇している様子が分かります。

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このまま株価が上昇すると期待したのですが、悪いニュースが飛び込んできたり地合いが悪化したりして、株価が反転、下落することがあります。一気に逆指値まで株価が下がってしまい、約定してしまいました(下図)。

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この場合、いい感じで含み益が増えていたのに結果は損失という、全く面白くない展開です。しかし、値動きの急変は珍しいことではありませんから、このようなこともあるでしょう。

…しかし、この展開は、やはり面白くありません。そこで、トレーリングストップを使います。

トレーリングストップは、このような値動きでも利食いを狙うことができます。下の図をご確認ください。赤線が逆指値注文の動きです。株価の上昇に合わせて、逆指値注文の位置も上昇している様子が分かります。

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また、株価が下落に転じる場合は、逆指値注文の位置は変化しません。このため、上の図で「約定」と書いてある位置で売却できます。通常の逆指値注文なら損失で終わる場合でも、利食いで終わることが可能です。

株式を新規で売る場合(信用取引など)についても、下で確認しましょう。

株式を新規で売る場合:

株式を新規で売り、トレーリングストップを使ったとします。この場合、株価が下落すると、逆指値注文も一緒に下落します。そして、逆指値注文が動くのは下方向だけであり、株価が上昇に転じても、逆指値は上方向に移動しません。

結果、株価が反転上昇すると、逆指値注文が約定します。約定位置によっては、逆指値注文なのに利食いで終えることができます。

トレーリングストップのデメリット

では、このトレーリングストップにはデメリットはないのでしょうか。残念ながらあります。株価が比較的直線的に上昇する場合は、トレーリングストップもそのまま直線的に上昇していきます。このとき、良い結果を期待できます。

しかし、株価が乱高下しながら上昇する場合に、問題が発生します。

株価が上昇したときに逆指値も上昇するのですが、株価が乱高下する場合、一時的に大きく下落することもあります。この一時的な下落で逆指値注文が成立してしまう可能性があります。

結果として株価が大きく上昇したとしても、途中の一時的な下落で逆指値注文が成立してしまうと、意図とは違う結果になってしまいます。痛いデメリットかもしれません。

そこで、株価と逆指値の距離を近づけすぎないことがとても大切でしょう。

手動トレーリングストップ

株価が大きく上下するタイミングで逆指値に引っかかるのが嫌な場合は、「手動トレーリングストップ」を検討できます。すなわち、自動で逆指値を移動するのでなく、手作業で移動させます。

最初に、通常の逆指値注文を出します。その後、株価が上昇したとします。それを確認してから、手動で逆指値注文の位置を変更します。

逆指値注文を変更するたびに、発注しなおしが必要です。よって、面倒な方法ではあります。しかし、自動的に逆指値注文を移動させず、自分の目で相場を確認しながら逆指値注文を変更できるメリットがあります。

トレーリングストップを使うか、それとも手動で逆指値注文を変更するか。これは、相場状況や好みによって変わってくるでしょう。比較的穏やかな相場の場合、トレーリングストップが有効に機能すると考えられます。

トレーリングストップを使用可能な証券会社

この注文方法は特殊ですので、多くの証券会社で利用できるわけではありません。当サイトで紹介している証券会社の中では、楽天証券で使用することができます。

楽天証券では、トレーリングストップをアルゴリズム取引として利用できます。トレーリングストップのほかにも、様々なアルゴリズム取引が可能です。詳細は別記事「アルゴリズム取引(アルゴ注文)とは」でご確認ください。

【公式サイト】楽天証券

 

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