買った直後に価格が急上昇して含み益がたっぷり・・・いつもそうならばうれしいですが、多くの場合はそうならないでしょう。波乱の値動きでも最終的に含み益となれば良いですが、含み損が大きくなってしまうこともあるでしょう。
トライオートETFの場合も同様です。残念ながら含み損になることはあるでしょう。
そもそも、買った瞬間からすでにプラスの成績だという金融商品は滅多にありません。株式の現物を買えば売買手数料を支払いますし(その分だけ損)、トライオートETFで銘柄を買った瞬間は、売値と買値の差であるスプレッド分だけ含み損になります。
そこで、含み損について考察することが必要です。
「買って持つ」という長期投資でプラスの成績を上げられるか
下の図は、評価損益の推移例を描いたものです。価格が上昇すれば含み益が増え、その逆ならば含み損となります。今回は含み損について考察しますので、最終的には含み損で推移するという絵にしています。
評価損益の特徴は、「過去の評価益・評価損は蓄積されない」ということでしょう。評価損益の結果は現在の価格次第です。
次に、配当相当額と利食い額の合計額の推移を確認しましょう。下の図のイメージです。
トライオートETFによる利食いはいつも一定というわけではありませんが、取引設定によっては毎日少しずつ利食いを繰り返します。また、配当相当額もじわじわと増えていきますので、下のような緩やかな右肩上がりの線となるでしょう。
この特徴は、「過去の蓄積でじわじわとプラスの成績が伸びる」ということです。
利食いで獲得した確定益は、ETFの価格変動によって消えてなくなるわけではありません。口座に残り続けます。配当相当額も同じです。これが評価損益と大きく異なる点です。
では、評価損益、配当相当額、トライオートETFによる利食いの合計を確認しましょう。下のグラフのオレンジ線の通りです。
青い薄い折れ線は評価損益です。評価損益に配当相当額と利食い額を追加したものがオレンジ線となります。ご覧いただくと分かりますとおり、評価損益の成績はイマイチでも、配当相当額と利食い額が成績を上に押し上げてくれます。
よって、時間はかかるかもしれませんが、評価損のままでも最終的にプラスの成績を残すことが可能です。
トライオートETFによる利食いがない場合
では、トライオートETFによる利食いがなく、純粋に長期で持ち続ける場合はどうか?・・・これを考えましょう。株式の現物を買って、配当を毎期受け取るというイメージと同じです。
この場合も、評価損益は株価の上下動によって大きく動きます。また、配当はじわじわと蓄積されます。しかし、問題があります。
「株価の下落幅があまりに大きい場合、配当で埋め合わせるのに何十年もかかるかもしれない」ということです。
例えば、評価損が大きくなって買値の半額になったとしましょう。評価損率は50%です。税引き後の配当金の蓄積でこれを埋め合わせようと思うと、何年かかるでしょうか?埋め合わせ完了のころには、自分の寿命が先に尽きてしまうかもしれません。それくらい途方もない時間がかかる可能性があります。
そこで、「買って長期で持つ」というトレード手法で成功するには、配当相当額に加えて、トライオートETFによる利食いが有効だろうと予想できます。
取引設定や価格変動にもよりますが、トライオートETFは毎日のようにコツコツと利食いを繰り返します。価格変動によっては、1日に何回も利食いが実現します。配当相当額とは頻度が異なります。
すると、配当だけでは評価損の埋め合わせに途方もない時間がかかってしまう場合も、その期間をぐっと短くできるでしょう。
以上のとおり、投資をする場合は、期待通りにいかない場合でも最終的に復活可能か?という視点でも考察しましょう。
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