インジケーターを使わないチャート分析方法として、「N波動(N字型)」を紹介します。

とても簡単な方法で、長期的な株価目標を考えるために使いやすいです。そこで、N波動(N字型)の考え方から順に確認しましょう。

N波動(N字型)の読み方

最初に、下のチャート図をご覧ください。曲線は株式の値動きを指します。底値がA、価格上昇途中でできた山の頂上をB、その後の谷(押し目)の底をCとしましょう。最終的に、D方向に株価が伸びています。

N波動(N字型)

点Dまで株価が推移してから「株価は上昇したなあ」と分かっても、トレードで旨味はありません。せめて、点Cを超えたあたりで株価上昇を期待して売買できるようになりたいです。

では、どのようにして分析すれば良いでしょうか。下の図をご覧ください。

N波動(N字型)

この図の読み方は、以下の通りです。

1 底値の点Aから、点Bまでの価格差を確認します。
2 押し目である点Cから、同じ価格差だけ上に伸ばした点が、株価目標値です。

とても簡単なチャート分析方法です。上の図は上昇トレンドについて書いていますが、下落トレンドについても同様です。点A、B、C、Dを直線で結ぶと、「N」のように見えなくもありません。そこで、N波動(または、N字型)と言います。

N波動(N字型)

この分析方法は、あまりにも簡単です。このため、この方法が果たして有効に機能するのかどうか、すぐには信じられないかもしれません。

そこで、過去の日経平均株価の推移を使って確認しましょう。

日経平均株価とN波動(N字型)

下のチャートは、2001年から2018年8月までの日経平均株価です。このチャートで、上で示したN波動(N字型)の正答率を確認しましょう。

日経平均株価

例えば、下の赤線1~3のようにN波動(N字型)の線を引けます。下の1から3までのいずれも、実際の株価は目標値を超えて動いています。この場合は、全く問題ありません。

N波動(N字型)を使ってトレードしていたら利食いできた、ということだからです。しかも、利幅は数千円を見込めます。

N波動(N字型)

ただし、いつもこの分析手法が正解になるというわけではありませ。例えば、下の通りです。4と5は、株価が目標値に到達していません。この場合、利食いできない可能性があります。

N波動(N字型)

N波動(N字型)で計測される目標値はあくまで「目標」ですので、いつも達成されると考えるのはお勧めできません(どのチャート分析方法でも、同じことが言えるでしょう)。

日足チャートとN波動(N字型)

次に、日足チャートで考察してみましょう。下のチャートは、2018年1月から8月までの日経平均株価の推移です。

日経平均株価

日足チャートを見ると、N波動(N字型)が有効に機能した例を見つけるのが難しいと分かります。当サイト運営者の経験では、N波動(N字型)は長期トレンドを把握するのに向いているという印象です。

1年以内の日足チャートでは、有効活用が難しいのでは?という予想です。

ただし、日足トレードで全く利用価値がないというわけではありません。週足や月足チャートで大きなトレンドを把握し、そのトレンドの方向に注意を向けながら日足で取引します。

こうすれば、大きなトレンドに逆らって損してしまう失敗例を減らせると予想できます。

実際の取引開始位置(例)

では、このチャート分析を使ったトレードをするとして、どこで取引を開始すれば良いでしょうか。例を考察します。下の赤丸の部分で新規に買います。

N波動(N字型)

すなわち、点Cの押し目を超えて株価が上昇を始めた位置です。長期トレードで利用する場面が多いと予想できますので、赤丸は厳密な位置ではありません。

押し目を過ぎて上昇しつつあるな、と感じる点で取引開始です。安全度を高くするなら、直近高値の点Bを超えてから買っても良いでしょう。

そして、目標株価は点Dです。残念ながら損切りする場合は、直近安値の点Cを少し下回ったあたりです。利食い株価、損切り株価ともに、とても分かりやすいですし、合理的です。

ただし、利食いできるときに得られる利益(想定利益)と、損切りするときに損する金額(想定損失)の額を比較する場合、想定利益の方が常に大きくなければなりません。でないと、負けトレードの典型例とされる「利小損大」になってしまいます。

トレーリングストップを使う

なお、損切りポイントは点Cのすぐ下ですが、この位置で維持する必要はありません。株価が上昇したら、逆指値の価格も上に少しずつずらします。

こうすると、最終的には、逆指値注文の株価が買値を上回るでしょう。ここまでくれば、損があり得ないトレードになります。

指値注文で売却できるとき:目標株価達成で大きな利益
逆指値注文で売却するとき:利益は小さいながらもプラス

長期トレードの場面でも、トレーリングストップは有効に機能します。トレーリングストップとは何か?につきましては、別記事「トレーリングストップとは」でご確認ください。

日経平均株価の長期投資でN波動(N字型)を利用する場合、目標株価はとても遠くなります。そこで、投資額そのものは小さくても、利幅を大きく取れます。

このトレード方法を検討する際は、安全重視で、取引額を少なくしましょう。

 

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