ニュースでも日常的に出てくる株式ですが、そもそも、株式とは何でしょうか。ざっくりと確認しましょう。
企業にとって、株式は資金調達手段
企業にとって、株式は資金調達手段です。何か新規事業を立ち上げたいと思うとき、手元にふんだんに資金があれば良いのですが、そうでないこともあるでしょう。その時の資金調達手段の一つです。
企業が株式を発行して資金調達する市場を、プライマリーマーケットと呼びます。なお、企業にとっての主な資金調達手段は以下の通りです。
1 株式発行
株式で調達した資金は返済する必要がありません。このため、必ず返済しなければならない銀行借入などに比べて、企業にとっての負担が少なくなる場合があります。
2 銀行借入
銀行から借金して資金を調達する方法です。企業としては、あまりに多額の借金をすると返済が苦しくなりますので、借入金額が大きくなりすぎないように気を付ける必要があります。
3 社債
銀行からの借金でなく、広く一般の投資家から資金を調達する方法です。借入先の多様化を図る際に有効ですが、比較的大きな企業でないと、社債を発行するのはむずかしいでしょう。
投資家にとって、株式は資金運用手段であり、企業に影響力を与える手段
投資家にとって、株式を買うのは2つの意味があります。
1 資産運用
配当金狙いで買ったり、株価の値上がり益を狙ったりして株式を買う場合が該当します。
なお、株式会社が新規に株式を発行する市場をプライマリーマーケットと呼びますが、投資家の間でその株式を売買する市場をセカンダリーマーケットと呼びます。東京証券取引所(東証)などでの株売買はセカンダリーマーケットになります。
2 企業支配
株式は企業の所有権を示します。例えば、ある株式会社が株式を100株発行していて、そのうちの50株を持っていたとしましょう。この場合、この企業を50%分だけ所有していることになります。
株主総会などで何かを決めるときに多数決になりますが、全議決権の50%分を行使することができます。このため、特定の企業を支配したい場合は、少しでも多くの株式を取得する必要があります。
プライマリーマーケットとセカンダリーマーケット
上の説明で出てきたプライマリーマーケットとセカンダリーマーケットですが、両者の間には以下のような関係があります。
・プライマリーマーケットで新規に株式を発行する場合、その価格はセカンダリーマーケット(株式市場)での価格動向が大きく影響します。
・新規に株式が発行されると、発行済み株式数が増加します。すると、時価総額は同じでも発行済み株式数が多くなりますので、1株当たりの株価は計算上下落することになります(株式の希薄化)。
ただし、新規発行の理由が新規事業展開などであり、それが有望だと市場が考えるとき、株式の新規発行の発表で株価が上昇することもあります。
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