株式投資では、誰かが株式を売ってくれるから私たちは買うことができます。同様に、誰かが買ってくれるから、私たちは株を売ることができます。すると、「買った人が全員勝つ」というトレードはとても難しいように思います。

これがありうるのかを考察しましょう。そして、実際の株式長期投資に応用できるかどうか、考察します。

買った人全員が勝つパターン

その1:

ある会社が株式を新規に公開しました。最初に買った人は全く売らず、1年が経過しました。株価が変動しないまま決算期を迎え、配当金が株主に支払われました。

この場合、株式を買った人全員が勝っています。評価損益はゼロ円ですが、配当金の分だけプラスだからです。

その2:

ある会社が株式を公開したのですが、株価はとても安く放置されていました。株価変動もありませんでした。しかし、それは過小評価でした。ゆっくりとではありますが、株価は一直線に上昇を続けていきました。

この場合、配当はどうか分かりませんが、全員が含み益を持っているか、あるいは、利益を確定できていると予想できます。

全員勝つ例から、株式の長期投資を考える

上の例は極端ですが、この極端な例から株式投資の手法が見えてきます。

手法1:配当重視

株価は上昇したり下落したりします。そして、いつ上昇するか下落するかを把握することは、とても難しいです。これはどうしようもありません。これに比べれば、配当金を予測するのは確実度が高くなります。

そこで、配当金や株主優待を重視するトレードを考えることができます。

配当金や株主優待の金額分だけ株価が下落してしまっても、合計では損になっていません。長期間保有すればするほど、配当金は積み上がっていきます。そこで、評価損との合計で、損益ゼロになる損益分岐点を引き下げることが可能です。

手法2:安値の株式を買う

株価は上下動するといっても、永遠に下がり続けるわけではありません。そこで、「将来性はありそうだけれど安値で放置されている株式」を探すことになります。

配当重視の方法に比べると、難しいかもしれません。しかし、少なくとも高値で買うのを避けるだけでも、将来の株価下落リスクを減少させる効果があるでしょう。

なお、株価は永遠に下がり続けることはないといっても、企業が倒産してしまえば株価はゼロ円になります。そこで、経営危機に陥っている株式などを買うときには、いつも以上に注意する必要があります。

安値で買うのは難しい

手法1の配当重視、株主優待重視の方法は、比較的分かりやすいです。配当がいくらなのか、株主優待は何なのか、確認すれば分かります。しかし、安値で買うのは難しいです。

どこまで価格が下落すれば安値なのか、分かりません。これが分かるならば、簡単にお金持ちになれます。

そこで、最安値で買うのをあきらめて、少しでも安く買う方法を考察します。下のチャートは、日経平均株価の推移です。日経平均ETFを買おうとしていると仮定します。

日経平均株価

チャートの一番右側で、日経平均株価は2万円をしっかり超えています。これは安値でしょうか。2008年~2012年までの株価から見ると、高値です。しかし、将来、日経平均は4万円になっているかもしれません。

この場合、2万円を超えていても、将来から振り返ってみると安値だった、ということになります。すなわち、安値はどこなのか分かりません。そこで、案として下の方法があります。

少しずつ買う

たとえば、日経平均ETFを買うための投資資金が、100万円あるとします。これを全額投入して今すぐ買うのは、ギャンブル度が高くなります。株価が大きく下落する可能性がなくはないからです。

そこで、少しだけ買います。仮に、5万円分買うとします。そして、以下の通りに買い進めます。株価が下落するたびに、少しずつ買っている様子が分かります。

21,000円になったら、5万円分買う
20,000円になったら、5万円分買う



11,000円になったら、5万円分買う
10,000円になったら、5万円分買う
(以下、続く)

少しずつ買うメリット

この方法を使うと、以下のメリットがあります。

メリット:今すぐ買える

株式投資を始めると決めたら、今すぐ買いたいです。これは人情ですから仕方ありません。株価が少々高くても、買いたいものは買いたいです。そこで、少しだけ買います。

こうすれば、満足感を得られます。かといって、自己資金に対して少ししか買っていませんので、その後株価が下落しても、ダメージは小さいです。

メリット:株価が下落したら買える

買った後に株価が下落したら、残念です。しかし、少ししか買っていませんから、ダメージは小さいです。そして、株価が下がったので、当初の予定通り、5万円分(例)の日経ETFを買うことができます。

ナンピンとは違い、最初から計画を立てて買っているので、問題はありません。購入価格の平均値を下げることもできます。

メリット:株価が上昇したらOK

そして、株価が上昇しても、もちろんOKです。全力買いした場合に比べると利益は小さくなりますが、勝ちは勝ちです。一回の大負けで株式相場から退場するリスクを背負うよりも、リスクを小さくして利益を積み重ねる方が合理的です。

本来ならば、「最安値で大きく買って、最高値で大きく売る」が理想です。しかし、それは困難ですので、このような分割手法も検討できるでしょう。

 

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